PMS(月経前症候群)は「性格のせい」ではありません
職場の人間関係やキャリアを守るためのホルモン・コントロール術 生理前のイライラ・落ち込みに振り回されないために。専門医が教える最新治療とセルフケアの正解 はじめに 「生理前になると、なぜか同僚の些細な言動にイライラしてしまう」 「普段なら流せるミスに強く反応してしまい、後で自己嫌悪に陥る」 このような悩みを抱えている働く女性は、決して少なくありません。しかし、これは性格や努力不足の問題ではなく、**月経前症候群(PMS)や、より精神症状の強い月経前不快気分障害(PMDD)**といった、医学的なケアの対象となる状態である可能性があります。 産業医として多くの働く女性と面談する中で、PMSによるパフォーマンス低下や人間関係の悪化が、キャリアに影響しているケースも経験します。 しかし、適切な治療や生活習慣の調整によって、こうした症状は多くの方で軽減が期待できます。 本記事では、医学的根拠に基づき、PMSの頻度や原因、治療法、メンタル疾患との見分け方、セルフケアについて解説します。 1.PMSの背景と頻度:あなたは一人ではありません PMS(月経前症候群
アスリートだけじゃない「無月経」
忙しすぎる10〜20代女性の体へのサイン ― ダイエットや過度なストレスが招く、将来の骨量低下と妊娠への影響 ― はじめに 「最近、生理が来ていないけれど、忙しいからかな?」 そんなふうに、月経がみられない状態を軽く考えていませんか。 無月経はアスリート特有の問題と思われがちですが、実際には過度なダイエットや強いストレスにさらされている10〜20代の女性にも多くみられます。 月経が止まることは、単に「楽になった」ということではなく、将来の骨粗鬆症や妊娠に影響する可能性がある、体からの大切なサインです。 本記事では、産婦人科医・産業医の視点から、無月経がもたらすリスクと、早めに相談することの大切さについて解説します。 無月経とは?どこからが受診の目安でしょうか 医学的には、これまであった月経が3か月以上みられない状態を「続発性無月経」といいます。 「環境が変わったから」「少し痩せただけ」と様子を見てしまう方も少なくありませんが、 目安として、18歳以上で3か月以上月経がない場合には、医療機関での評価が勧められます。 月経は、女性の体の状態を映す大切
「排卵痛」か「虫垂炎(いわゆる盲腸)」か?
右下腹部の痛みで迷ったときに確認したい3つのセルフチェック ― 婦人科に行く前に知っておきたい、消化器内科や外科が必要なケース ― はじめに 右下腹部に痛みを感じたとき、それが「排卵痛」などの婦人科の症状なのか、それとも「虫垂炎(いわゆる盲腸)」などの消化器の病気なのか、判断に迷うことは少なくありません。 右下腹部には、卵巣や卵管だけでなく、虫垂や大腸など複数の臓器が集まっています。そのため、同じ場所の痛みでも原因が異なることがあります。 本記事では、産婦人科医の視点から、見分けるための考え方と、早めに受診したほうがよいサインについて分かりやすく解説します。 なぜ右下腹部の痛みは迷いやすいのでしょうか 20代から40代の女性にとって、下腹部痛は比較的よくみられる症状です。 腹痛を主訴に医療機関を受診する方は、毎年多くいらっしゃいます。 右下腹部には、婦人科系と消化器系の臓器が隣接しています。そのため、似たような痛みでも原因が異なる場合があり、自己判断が難しくなります。 チェック1:痛みのタイミングと「周期性」 まず確認したいのは、痛みが起こった時
【動悸・めまい・多汗】更年期?それとも甲状腺?
見極めるための血液検査の重要性 40代以降の働く女性を襲う不調、内科と婦人科の連携が解決のカギ はじめに 40代半ばを過ぎた頃から、 「急に胸がドキドキする」 「顔だけが異常に汗をかく」 「めまいで仕事に集中できない」 といった不調に悩まされる女性は少なくありません。 多くの方は「いよいよ更年期かしら?」と感じますが、その背景に 甲状腺疾患 が関与している可能性もあります。 更年期障害と甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、症状がよく似ています。 産業医として働く女性の健康相談を行う際にも、この二つを見極めることは重要なポイントです。 本記事では、後悔しないためのチェックポイントと、血液検査による診断の考え方について解説します。 1.更年期と甲状腺:似て非なる二つの病態 40代以降の女性において、動悸や多汗は「更年期」を連想させる症状ですが、甲状腺の病気も女性に多い疾患です。 更年期障害 閉経前後の約10年間に、女性ホルモン(エストロゲン)が大きく変動・低下することで、自律神経が乱れて起こります。 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)...
「おりものに血が混じる」のはなぜ?
排卵出血か病気かを見極めるポイントと受診の目安 ― 自己判断が一番のリスク。不正出血の裏に隠れたポリープや炎症を早期発見するために ― はじめに 「おりものに少しだけ血が混ざっているけれど、痛みもないし、このまま様子を見て大丈夫かな?」このような経験をしたことのある女性は、決して少なくありません。 月経以外の時期にみられる出血(不正出血)の原因は、排卵に伴うホルモン変動のような生理的なものから、子宮頸がんやポリープ、感染症など治療が必要な病気まで幅広く存在します。 「いつものことだから」と自己判断で済ませてしまうと、治療が必要な病気のサインを見逃してしまう可能性があります。本記事では、専門医の視点から、出血の原因を見極めるための考え方と、受診の目安について分かりやすく解説します。 1.不正出血の背景と発生頻度 不正出血は、婦人科外来を受診する理由として、比較的多い症状の一つです。 発生頻度 多くの女性が、生涯のうちに一度は不正出血を経験すると報告されています。 出血の量と性状 ごく少量の茶色い出血から、月経のような鮮血まで個人差があります。


























































