ジエノゲスト(ディナゲスト®️)
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ピル以外で月経痛(月経困難症)を改善
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ピルを服用できない方、血栓症のリスクが心配な方、ご相談ください。
ジエノゲスト(ディナゲスト®️)とは?
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ジエノゲストは月経痛の改善や、子宮内膜症や子宮腺筋症に伴う月経時以外の痛みの改善に用いられるホルモン剤(保険適用)です。
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ジエノゲストは、月経周期に関わる女性ホルモンの一つ「黄体ホルモン」と同じ働きを持つお薬です。
ジエノゲストは卵巣の働きを抑えて排卵を止めることで、月経を起こさないようにする働きがあります。
また、月経を止めるだけでなく、子宮内膜に直接作用して、子宮内膜の増殖を抑制します。これらの作用によって、月経痛や、月経時以外の痛み(下腹部痛、腰痛、性交痛、排便痛など)を改善する効果があります。
月経困難症や子宮内膜症、子宮腺筋症の治療として「低用量ピル」を用いることが主流となってきていますが、血栓症リスクなどにより、低用量ピルの服用ができない方もいらっしゃいます。そのような方には、ジエノゲストが治療の選択肢となります。
ジエノゲスト(ディナゲスト®️)と低用量ピルの違い
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低用量ピルはエストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)を含みますが、ジエノゲストは黄体ホルモンのみ含みます。
効果の違い
●月経痛(月経困難症)、子宮内膜症、子宮腺筋症の治療効果
ジエノゲスト(ディナゲスト®️)も低用量ピルも、月経困難症、子宮内膜症、子宮腺筋症の治療効果があります。
●避妊効果
避妊効果を求める場合は、低用量ピルの方が適しています。
副作用の違い
低用量ピルもジエノゲストもそれぞれ副作用があります。
●低用量ピルの代表的な副作用「血栓症」
頻度は稀ですが、低用量ピルには血栓症の副作用があります。
一方、ジエノゲストは血栓症のリスクが低いお薬です。月経痛で悩んでいて、血栓症リスク(喫煙、肥満、40歳以上、前兆を伴う偏頭痛、重度の高血圧や肝障害、乳がん、糖尿病や脂質代謝異常症など)が理由で、低用量ピルの服用ができない方は、ジエノゲストによる治療が選択肢の一つとなります。
●ジエノゲストの代表的な副作用「不正出血」
ジエノゲストを服用し始めると、数カ月間、不正出血が起こることがあります。
服用方法の違い
●低用量ピル:1日1回の服用
●ジエノゲスト:1日2回(朝・夕)の服用
ジエノゲストは体内に長くとどまらないお薬ですので、一度に2錠服用せず、必ず1回1錠ずつ2回に分けて服用します。服用し忘れたときは、気づいたときにすぐ服用してください。ただし、次の服用時間が近いときは、1回分スキップしていただき、2錠を一度に服用しないようにしてください。
ジエノゲスト(ディナゲスト®️)の副作用
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不正出血と更年期障害の症状が起きることがあります。
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不正出血
ジエノゲストは子宮内膜が厚くならないように働きますが、薄くなった子宮内膜は不安定なためはがれやすく、不正出血が起こりやすくなります。出血量は、少量であったり、月経時と同程度の出血量であったりと個人差があります。ジエノゲストの服用を継続することで不正出血は減少することが多いですが、出血量が多く、何日も続く場合などは医師にご相談ください。症状によってはジエノゲストの服用を止める場合があります。
更年期障害の症状
稀ですが、ジエノゲストの服用によりエストロゲンが低下する場合があり、ほてり、頭痛、倦怠感、うつ、などの更年期障害の症状が現れることがあります。
その他
発疹など、ジエノゲストに対する過敏症(アレルギー)が疑われる症状が現れた場合は、医師にご相談ください。
ジエノゲスト(ディナゲスト®️)が適している人
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月経痛、子宮内膜症、子宮腺筋症の治療で、低用量ピルを使うことができない方は、ジエノゲストによる治療を考えます。
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つらい月経痛でお悩みの方、子宮内膜症や子宮腺筋症の治療を考えている方で、血栓症リスクなどにより低用量ピルを使用できない場合は、ジエノゲストによる治療が選択肢の一つとなります。
低用量ピルが服用できない方もご相談ください。
※問診や検査の結果、ジエノゲストを処方できない場合がございます。
ジエノゲスト(ディナゲスト®️)服用中の避妊について
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ジエノゲストを服用していても、妊娠する可能性があります。
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ジエノゲストは避妊の適応はないお薬です。ジエノゲストを服用していてもまれに排卵が起こり、妊娠する可能性がありますので、避妊したい場合は、コンドームによる避妊が必要です。
性感染症の予防としても、コンドームの併用は重要です。
ジエノゲスト(ディナゲスト®️)の服用はいつまで?
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ジエノゲストは妊娠を希望する時や、50歳前後(閉経)に服用を停止します。
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●妊娠を希望する場合
ジエノゲストの服用を止めると1~2カ月で月経が再開し、排卵が起こるようになります。
●閉経するまでジエノゲストを服用する場合
平均的な閉経年齢は50歳前後ですが、個人差があり、いつ閉経するか(したか)は分かりません。そのため、50歳前後になりましたら、ホルモン検査をさせていただき、ホルモンの数値から閉経の時期やジエノゲストの減量・停止時期を考えていきます。