骨粗しょう症
女性に多い骨粗しょう症
[
]
骨粗しょう症は女性にとって身近な病気です。
40~50代になったら、自覚症状がなくても骨密度を測定しましょう。
骨粗しょう症の患者さんの約80%以上が女性といわれています。
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、骨の新陳代謝において骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。そのため、閉経期(50歳前後)を迎えてエストロゲンの分泌が低下すると急激に骨折しやすい状態へと変化していきます。60歳代の半数、70歳以上の2/3程度が骨粗しょう症だと報告されています。骨密度は早めに減少を食い止めることが重要です。40~50代になったら特に症状がなくても骨密度検査を受けましょう。
女性の骨密度の変化
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン20215年版より一部改編
骨粗しょう症は自覚症状なく進行する
[
]
骨粗しょう症は、骨折を起こしやすくなる病気です。
自覚症状なく進行するため、早期発見・治療が大切です。
骨粗しょう症は骨の量の減少・骨の質低下によって骨がもろくなり、骨折を起こしやすくなる病気です。
骨粗しょう症を放っておくと、腰や背中が曲がってしまったり、些細なことで骨折をし、寝たきりとなる原因を引き起こしてしまいます。
骨粗しょう症は骨がスカスカになるだけで、特に自覚症状はあらわれません。骨密度測定を行わない限り、骨粗しょう症が進んでいることに気付くことは困難です。そのため、早期に発見して、治療を始めることが重要になります。
40~50代からの骨密度測定がおすすめ
[
]
骨粗しょう症は、高齢者の病気ではありません。
骨密度の低下を予防するために、 40~50代での骨密度検査がおすすめです。
骨粗しょう症に対して「お年寄りがかかる病気」というイメージをもっている方は多いですが、骨粗しょう症は誰もがなりうる身近な病気です。40代頃から骨密度が低下することが多いため、40~50代で骨密度測定を行い、早めにご自身の骨の状態を把握することが大切です。
また、ステロイド薬の服用歴がある人や、過激なダイエットをした経験がある人、喫煙習慣がある人、お酒を大量に飲む人は、年齢が若くても骨粗しょう症になるリスクが高くなります。そのような人は、より早めに骨密度検査を受けることをおすすめします。
骨密度検査を受けていただきたい方
-
40~50代の女性
-
閉経後2~3年経過した女性
-
以前より身長が低くなった方(2㎝以上)
-
背中や腰が曲がってきた方
-
背中や腰に痛みを感じる方
-
何度も骨折をしている方
-
喫煙される方
-
アルコールをよく飲む方(毎日コップ3杯以上)
-
ステロイドを定期に服用している、あるいは過去に3ヶ月以上の服用歴のある方
-
関節リウマチ、糖尿病、甲状腺機能亢進症、45歳未満の早期閉経など、骨粗しょう症をまねく病気のある方
骨密度測定(骨密度検査)とは?
[
]
骨密度測定は、 骨の強さを判定するための代表的な指標である「骨密度」を測定する検査です。
「骨密度」は、骨の強さを判定するための代表的な指標です。
当院では、提携医療機関にて、骨粗しょう症ガイドラインで基準測定器として定められている骨密度測定装置(DXA法)による骨密度測定を行っていただき、その結果をもとに、骨粗しょう症を診断いたします。
DXA法は、骨折しやすい腰椎(腰の骨)と大腿骨頚部(股関節の骨)を直接測定し、より重要で正確な診断をすることができます。
骨密度測定装置は通常のレントゲン写真撮影に比べて被ばく量は少なく、各種骨量検査法の中では精度が高いという特徴があります。
骨代謝マーカーの測定とは?
[
]
骨代謝マーカーを測定することで、お薬の選択や効果の判断に役立ちます。
骨は常に新陳代謝を行っており、骨が溶ける(骨吸収)と新しい骨が作られる(骨形成)という過程が繰り返されています。
骨代謝マーカーは、「骨の新陳代謝」の状態を知るための指標で、血液検査や尿検査により測定します。骨がどれだけ壊されているかを示す「骨吸収マーカー」と、骨がどれだけつくられているかを示す「骨形成マーカー」があります。骨代謝マーカーを測定することで、お薬の選択や効果の判断に役立ちます。
骨粗しょう症の治療
[
]
きちんと予防治療をすれば、骨粗しょう症による骨折は予防できます。
薬物療法
近年、骨粗しょう症の新薬が次々と開発され、それらの投薬治療を早期に行うことで骨粗しょう症による骨折を予防できるようになりました。
骨の新陳代謝のバランスを整え、骨の量を増やすために「骨吸収(骨が壊されること)を抑える薬」や「骨形成(骨が作られること)を促進する薬」、「骨吸収と骨形成のバランスを整える薬」などを用います。
検査結果をもとに、患者様お一人おひとりの身体状況や年齢を考慮して薬剤を選択します。
食事療法
カルシウム摂取が不足すると骨粗しょう症の原因となるだけでなく、血管などの組織にカルシウムが逆に増え、動脈硬化症・糖尿病・高血圧など様々な疾病が起こりやすくなります。
カルシウムは食品として700~800mg/日以上を目標にし、カルシウムだけでなく、ビタミンDやビタミンKの摂取も心がけることが大切です。
運動療法
骨は運動をして負荷をかけることで増え、丈夫になります。
筋肉を鍛えることで体をしっかり支えられるようになり、ふらつきが少なくなって転倒防止にもつながります。
担当医紹介
牛尾 茂子
●診察日:第1・4 土曜日
●診療領域:手の外科
資格
日本手外科学会専門医・指導医
日本形成外科学会専門医・領域指導医
日本形成外科学会小児形成外科分野指導医
日本創傷外科学会専門医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本医師会認定産業医