子宮の教科書 第二十八話
閉経は50歳前後で訪れます
閉経とは、女性の身体の子どもをつくる機能の寿命みたいなものだと考えてください。
今を生きる私たちは、昔の人たちに比べて、寿命が延びています。
人生50年だったのが、今では90年生きるのが当たり前になっています。
それに加えて女性が子どもを産む年齢も上がってきているため、
50歳だった閉経年齢の平均が、60、70歳と延びているイメージがあるのかもしれません。
たとえば、自分が35歳で結婚して、37,8歳で子どもを産むと、子どもが成人するのが57,8歳頃です。
その頃まで生理があるように思うかもしれませんが、残念ながら、そんなことはなく、今も平均50歳で閉経します。
更年期も、閉経する年齢も、この50年変わっていないということは、当然、子どもをつくる能力も変化していません。
ところが、面白いことに、「昔とライフスタイルが変わってきた」という理由からか、いろいろな誤解や勘違いが生まれています。
たとえば、「ピルを使って排卵を抑えれば、卵が出てくる回数が減るので、
その分閉経するまでの時間を延長できるんじゃないか」とか!
確かに、排卵を抑えれば、持っている卵の数が減っていないことになる、といいたいのもわかります。
しかし、ここで忘れてはいけないのが男性の精子と女性の卵子の製造過程についてです。
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)